たけですこんちわ。福岡の宗像沖ノ島では、毎年春になると「デカマサ」、「春マサ」とも呼ばれる大物のヒラマサが回遊してきます。中には20kgを超えるモンスターも存在し、県外からもたくさんの「夢追い人」が訪れます。(秋にも大型が狙えますが10kg前後といったところでしょうか)現在僕の記録は17kgで今年の春は12kg迄でした。来年こそは夢の20kgを目指し、今回は「ヒラマサとのやりとり」について考えていきたいと思います。あなたが夢の一匹に出逢う為の参考になれば幸いです。
まずは磯場の確認を!
磯に着いたら釣りを始める前にまず、岩場の形状を確認しながら「勝負する場所」=「取り込む場所」を決めます。ヒラマサは手前に寄せてからも、右に左に突っ込みます。なるべく水深があって、根が張り出てない切り立った場所を探しましょう。岩肌が滑る場合は、あらかじめ濡らしたドンゴロスなどを敷いておくと良いです。一人で瀬上がりしている場合などは、その付近にタモ網やギャフをセットしておきましょうね。
心の準備は良いですか?
軽く準備運動したらいよいよ仕掛けを投入します。マキ餌と一緒に、熱い気持ち、培った経験、会社への不満、ポケットの小銭、昨日の自分、など全てカゴに詰め込んで海に放り投げましょう。
仕掛けを流している時は、一瞬たりとも気が抜けません。「いつ子供が乗ったチャリが突っ込んできても大丈夫」なぐらいの気を入れておきましょう。←いやホントに。
潮の流れによっては、「流しやすい場所」が「勝負する場所」と異なることもあると思います。ここで一つ大事なポイント。仕掛けを流している最中は、「常に勝負する場所への移動」のことを意識しておきましょう。ヒラマサとの勝負では一瞬のもたつきが仇となります。魚が掛かったら、やりとりを行いつつ「勝負する場所」へ移動することが大切です。逆を言いますと、自分の勝負したい場所へ魚を誘導することが大事です。観音釣りをしている場合でも周りの人に断りを言って、いち早く優位に闘える場所に移動しましょう。
気になるドラグ調整
船釣りでは魚を底からある程度離してしまえば、ラインが瀬に擦れて切れることはありません。しかし磯釣りでは最後の最後、取り込む瞬間まで瀬ズレする危険性があります。実際、磯でのヒラマサ釣りにおいてほとんどのバラシの原因が瀬ズレです。
春の大物狙いでは皆さん5号以上の竿に、ラインも12号、14号といった強靭なタックルで勝負されてます。ですが僕が思うのは「その強靭なタックルの強度分、引っ張れてる方が少ないのではないか?」ということです。12号程のラインはなかなか切れません。せっかく喰わせても「ジャーー」と勢いよくドラグを出してしまっては、あっという間に瀬ズレして終わりです。そこで僕がおすすめしたいのは一度事前に、「何か固定されたものにラインを結んで思いっきり竿を曲げてみる」という方法です。12号で組んだタックルの強度を実際に体感してみて下さい。多分「バチンッ」とラインを飛ばせる方はそういらっしゃらないと思います。そして「もう竿が折れそう〜」という状態で「ジッ、ジッ、ジッ」とちょっとずつ出るくらいのドラグ調整が好ましいと僕は思います。あとはもちろんドラグ調整を考える上で、釣り場の水深も考慮しなければいけません。水深が竿4本ぐらいあるのなら多少緩め気味でも良いかもしれませんね。腕力に自信の無い方は、ドラグを締めすぎると竿をのされる危険性もあるのでそのあたりも考慮しましょう。
ラインは劣化しますので、少しでも不安があるなら交換しておきましょう。不安要素があると弱気になってドラグを出してしまいます。
「チィークショォォォー!コォノォヤロォォォー!!ヒキズリマワシチャルゼアホンダラァァァァーーー!!!」ぐらいの松田稔さんばりの意気込みで闘いましょう。
魚の声を聞きましょう !
こればかりは経験を重ねないと難しいと思いますが、ラインから伝わる「魚の声」に耳を傾けましょう。「大きいのですか?」「どっちを向いておられるのですか?」「怒ってらっしゃいますか?」
ヒラマサはとても瞬発力があります。喰った瞬間に走ることが多いので、最初は大きさがわかりにくいです。せっかく水深のある沖で掛けたのに、魚の声を聞かずにがむしゃらに巻いてしまっては、余力を残した状態で手前まで寄せてきてしまい、瀬際でやられることが多々あります。アタリがあったったらまずは落ち着いて竿を立て、「魚の声」を聞きましょう。もし竿で溜めておくことができる場合は、テンションが緩まないようにゆっくりとリールを巻きつつ、なるべく沖で相手の体力を奪うことを考えてください。慣れてくると魚の頭の振り幅でサイズを想定したりすることも出来ますよ。
本物のモンスターにはベールオープン!
竿を立てて魚の声を聞き、「大きいですけど何か!?頭にきてますけど!!」と返答があった場合。もしくは竿すらも立てれない程の場合は、合わせを入れた後、迷わず「ベールオープン」にして走らせましょう。思いがけず細仕掛けで大物を掛けてしまった時などにも有効です。
磯の上から竿を立てた状態でドラグを出してしまったら、その抵抗に反発して魚は下に突っ込みます。ですがラインをフリーにした場合はだいたい本流に乗って横方向に走ります。一か八かの選択にはなりますが、僕はドラグを「ジーーーーーッ」と勢いよく出してしまうよりは獲れる確率が上がると思います。うまくいけば相手の体力を大幅に奪えますよ。
ドラグ「ジーーーーーッ」↓↓
ベール「オープン!」↓↓
そしてある程度走って勢いが落ちてきたら勝負をかけます。ベールを戻し、素早くラインを巻き、「これ以上巻けない」という状態までテンションを掛け、一気に竿を起こします。相手の頭をこっちに向けるイメージで思いっきりいきましょう。もし手応えがない場合は一旦フリーにして再チャレンジしましょう。
相手の頭をこちらに向けることができれば反撃開始です。出されたラインの回収に入ります。途中で岩などにラインが噛んでしまった感触があったら、ラインを緩めたりしてみると外せる事もあります。
瀬際まで寄せることが出来れば、その頃にはもう相手の力は底をついていることでしょう。
合わせについて
大物になればなるほど口周りの骨や筋肉が発達して、針が貫通できないことがあります。綺麗に貫通していないと針が折れてしまいます。アタリがあった時はテンションが掛かった状態で、しっかりと2度3度必ず鬼合わせを決めてください。
僕のオススメはベールオープンのままラインと竿を握りしめ「抜き合わせ的な感じ」で合わせる方法。(イメージは大間のマグロ漁師)そのまま走らせたい場合などはベールを返す手間が省けて良いです。ベールを返すのに恐怖を覚えるほどの激しいアタリにも有効的ですよ。
アタリと走る方向
僕の持論では、潮の効いた本流で喰わした時は「バチバチバチバチッ」とラインが弾け飛ぶようなアタリが出やすく、フリーにして走らせた場合には、海面を走り、根に潜りにくい傾向にある気がします。
逆に、本流への引かれ潮など比較的ゆるい潮で喰わした時は「モゾモゾモゾモゾ〜」といったような感じのアタリが出やすく、フリーにして走らせた場合には、根に潜りやすい傾向にある気がします。
「フリーにするか否か」と悩んだ時のひとつの判断材料に、頭に留めておいてはいかがでしょうか?
参考までに
僕の17kg獲った経験を参考までに記しておきますと、水深は竿2〜3本のポイントで、5号竿に道糸12号、ハリス14号でドラグを一切出さない「ガチ引っ張り合い」で獲りました。磯にお尻をつけ、竿を本当に折れそうなぐらい曲げて、なんとか手にすることが出来ました。もちろん魚の個体差はあると思いますが、使用していたタックルでの「ガチ引っ張り合い」ではギリギリのところだったと感じました。
ですから現在の僕の考えでは、20kgクラスと水深のあまり無いポイントで勝負する場合は、フリーにして走らせた方が獲れる確率が高いと思っています。
最後に
磯のスプリンター「ヒラマサ」
喰った瞬間スプールから弾け飛ぶライン。高鳴る鼓動。
あの圧倒的な瞬発力に何度天を仰いだことでしょう。
来年も20kgを目指し、「僕は夢を追いかけます。」
それでは皆さん良い夢を・・・。
※素晴らしい出来の挿絵についての批判や苦情は、一切受け付けておりませんのでご了承ください。
僕の使用タックルのおすすめ!!
↑↑がまかつのヒラマサ天剛H。17kgとのドラグガチガチ勝負にも耐えてくれた一押しロッド。おすすめのポイントはその強さの中に潜む「柔軟さ」です。僕はハードタイプのHを愛用していますが、魚を掛けた時はしっかりと胴から曲がってくれます。投げる時も僕は割と軽めの上カゴを使っているのですが、しっかりとしなって仕掛けを飛ばすことができます。たぶん次買い換える時が来ても同じの買うだろうな。
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